【異例】9月の感染性胃腸炎が過去10年で最多を記録。今すぐできる予防法と対処法
本来は冬に流行するはずの感染性胃腸炎が、今年は季節外れの増加を見せています。2025年9月末の報道によると、おう吐や下痢を起こす感染性胃腸炎の患者数が、この時期としては過去10年で最も多い水準となっています。
夏休み明けの新学期が始まった9月初旬には、東京都でも子どもを中心に感染性胃腸炎の報告が増加しており、学校や家庭での二次感染が懸念されています。
参考文献
感染性胃腸炎 流行続く 患者数はこの時期で過去10年で最多 | NHKニュース
感染性胃腸炎の流行状況(東京都 2025-2026年シーズン) | 東京都感染症情報センター
感染性胃腸炎は本来いつ流行する?
感染性胃腸炎は通常、秋から冬にかけて流行する感染症です。
例年であれば11月頃から患者数が急増し始め、12月にピークを迎えます。その後、1月から3月にかけて再度増加し、春以降は徐々に減少していくのが一般的なパターンです。
しかし近年は春先から初夏にもピークを形成することが多くなっており、今年のように9月の時点で高い水準を示すのは異例の事態と言えます。
参考文献
感染性胃腸炎(ウイルス性胃腸炎を中心に) infectious gastroenteritis | 東京都感染症情報センター
三重県感染症情報センター
感染性胃腸炎の原因は何?
感染性胃腸炎は、細菌、ウイルス、寄生虫など多種多様な病原体による感染症の総称です。主な原因は以下の通りです。
ウイルス性胃腸炎
| ウイルス名 | 特徴 |
|---|---|
| ノロウイルス | 冬季の流行の7〜9割を占める主要な原因 |
| ロタウイルス | 冬から春にかけて流行し、特に乳幼児に多い |
| サポウイルス | 夏から秋にかけて流行し、主に小児に感染 |
| 腸管アデノウイルス | 年間を通じて発生 |
細菌性胃腸炎
| 細菌名 | 特徴 |
|---|---|
| 腸炎ビブリオ | 夏季に多い原因 |
| 病原性大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター | 食中毒の原因となることもある |
寄生虫性胃腸炎
| 細菌名 | 特徴 |
|---|---|
| クリプトスポリジウム、ランブル鞭毛虫 | 主に海外渡航時に感染リスク |
感染経路としては、病原体が付着した手で口に触れる接触感染、汚染された食品や水を摂取する経口感染、そして嘔吐物が乾燥して空気中に舞い上がったものを吸い込む飛沫感染があります。
参考文献
感染性胃腸炎の原因や予防・対策、治療法を解説|渋谷・大手町・みなとみらいで感染性胃腸炎のことならMYメディカルクリニック
感染性胃腸炎の症状
感染性胃腸炎に感染すると、以下のような症状が現れます。
嘔吐・吐き気(突然の激しい嘔吐が起こることがある)
下痢(水様の下痢が1日に何度も繰り返されることがある)
腹痛
発熱(37〜38℃程度の高熱にならないことも多い)
全身の倦怠感
症状は通常1〜2日程度、長くても3〜6日程度で治まりますが、特に乳幼児や高齢者は下痢や嘔吐による脱水症状に注意が必要です。水分も摂れないほど症状がひどい場合、尿の回数が減っている場合、ぐったりしている場合は、速やかに医療機関を受診してください。
感染性胃腸炎になったらどうすればいいのか
感染性胃腸炎と診断された、または疑われる症状が出た場合は、以下の対応を心がけましょう。
十分な水分補給
下痢や嘔吐で失われた水分を補うため、こまめに少量ずつ水分を摂取します。経口補水液やスポーツドリンクが適していますが、吐き気が強い場合は無理せず、少しずつ口に含む程度から始めましょう。特に乳幼児や高齢者は脱水症状になりやすいため、水分補給を欠かさないことが大切です。
安静にする
下痢や嘔吐の症状がある間は、できるだけ学校や仕事を休み、自宅で療養しましょう。
また、強い下痢止めの薬は、体内のウイルスや細菌を排出する妨げになることがあるため、自己判断での使用は避けてください。
二次感染を防ぐための配慮
家族と食器やタオルを共用せず、トイレや洗面所は使用後にこまめに消毒しましょう。
症状がひどい場合や水分補給ができない場合、血便が出た場合、高熱が続く場合は、医療機関を受診してください。
症状回復後も注意が必要
症状が治まった後も1週間から1か月程度はウイルスを排出し続けるため、体調が回復しても最低48時間は自宅療養を続けることが望ましいとされています。
特に回復直後は周囲への感染リスクが残っているため、トイレ後の手洗いを徹底し、食器やタオルの共用を避けるなどの配慮を続けましょう。
参考文献
感染性胃腸炎はいつまでうつる?感染期間・家族感染を防ぐための予防法を解説│うつぼ公園ひらやま内科・内視鏡クリニック大阪
染性胃腸炎を防ぐための予防策
徹底した手洗いの実施
感染予防の最も基本かつ重要な対策は、石けんと流水による手洗いです。
トイレの後、調理や食事の前、帰宅時、おむつ交換の後、嘔吐物や便を処理した後には必ず手を洗いましょう。
正しい手洗いのポイントは、指輪や時計を外し、石けんをよく泡立てて指の間、爪の間、手首まで丁寧に洗い、流水で十分にすすぐことです。清潔なタオルかペーパータオルで拭き、タオルの共用は避けてください。
トイレでのスマートフォン使用
近年注目されているのが、トイレでのスマートフォン使用による感染リスクです。
トイレ内でスマホを使用すると表面にウイルスが付着し、手洗い後もスマホは消毒されないため、再び手にウイルスが付着してしまいます。
特に食事中にスマホを使うと感染リスクが高まるため、トイレではスマホを使用しない、またはトイレ後は手洗いを特に丁寧に行うことが重要です。
食品の適切な取り扱い
食品を介した感染を防ぐには、加熱と洗浄が基本です。
まず、食材は中心部までしっかり加熱することが重要で、特に二枚貝(カキなど)は85℃で1分以上、または中心温度85〜90℃で90秒以上加熱しましょう。野菜や果物は水道水で丁寧に洗い、調理器具も熱湯消毒または塩素系漂白剤で消毒します。また、食品の冷所保存を徹底し、長期保存は避けることが大切です。
家庭内での二次感染予防
感染者が出た場合は、食器やタオルの共用を避け、入浴は感染者が最後、またはシャワーのみにしましょう。浴槽の水は毎日交換し、浴室を清潔に保ちます。下痢症状がある人は調理を控えることも重要です。
参考文献
感染性胃腸炎を予防しよう – 宮城県公式ウェブサイト
感染性胃腸炎にご注意!/大阪府(おおさかふ)ホームページ [Osaka Prefectural Government]
まとめ
感染性胃腸炎は季節を問わず発生する可能性があり、特に2025年は9月の時点で過去10年最多という異例の流行となっています。ノロウイルスをはじめとする病原体は非常に強い感染力を持つため、日頃からの予防対策が重要です。
こまめな手洗いの徹底、食品の十分な加熱と適切な保存、嘔吐物や便の適切な処理と塩素系消毒剤の使用を心がけ、家族や職場での集団感染を防ぎましょう。症状がひどい場合や水分補給ができない場合は、速やかに医療機関を受診してください。



