インフルエンザにかかりやすい人には「ある特徴」が!?効果的な予防方法も解説!

インフルエンザにかかりやすい人には「ある特徴」が!?効果的な予防方法も解説!今年もいよいよ冬本番、インフルエンザが流行する季節がやってきました。
実は、「感染しやすさ」や「重症化しやすさ」に個人差があるということをご存知でしょうか。

この記事では、科学的な根拠に基づいて、どのような方がインフルエンザに感染しやすく、重症化しやすいのかを解説します。
効果的な予防対策についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

インフルエンザに感染しやすい人の7つの特徴

「インフルエンザに感染しやすい状態」は、言い換えると「免疫力が低下している状態」です。
体を守る防御機能である免疫機能が低下していると、インフルエンザウイルスに対する抵抗力が弱くなり、感染しやすくなるのです。

ここでは、そんな「免疫力の低下によるインフルエンザ感染」を招きやすい人の「7つの特徴」をまとめました。現在、ご自身が当てはまっていないかどうか確認してみてください。

1.睡眠不足の方

睡眠不足によってウイルスを攻撃するNK細胞(自然免疫細胞)の活動が低下し、インフルエンザに限らず、感染症に対する抵抗力が弱まってしまいます。
実際、睡眠時間が6時間未満の方は、7時間以上睡眠をとっている方と比べて風邪の発症率が約3倍高くなることが研究で明らかになっています。

また、睡眠不足はインフルエンザワクチンの効果を低下させるのも要注意ポイントです。
予防接種を受けていても十分な免疫が獲得できない可能性があります。

2.慢性的な疲労・ストレスがある方

長期間にわたって疲労やストレスが蓄積すると、抗ストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌され、免疫機能が低下します。
コルチゾールには体内の炎症や免疫反応を調整する働きがありますが、慢性的に高い状態が続くと免疫細胞の活動が抑えられ、ウイルスに対する防御力が弱まってしまうのです。

たとえば、仕事や育児などで十分な休息が取れない状態が続いている方は、感染症にかかりやすい状態にあるといえます。

3.栄養バランスが偏っている方

免疫細胞が正常に機能するためには、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が必要です。
食事のバランスが偏ってこれらの栄養素が不足すると、体の抵抗力が低下し、ウイルス感染に対して脆弱になってしまいます。

4.血糖値が高い方(糖尿病の方)

糖尿病の方や血糖コントロールが不良な方は、高血糖によって白血球の働きが低下し、ウイルスや細菌に対する防御機能が弱くなります。
実際、糖尿病の方は健康な人に比べてインフルエンザ感染による入院リスクが6%も高いことが報告されています。

5.口の中が乾きやすい方

唾液には、ウイルスを洗い流したり、抗菌作用を発揮したりするバリア機能があります。
唾液の分泌量が少ない方や、口呼吸が多い方は、このバリア機能が低下し、ウイルスが体内に侵入しやすくなります。

6.アレルギー性鼻炎などで鼻やのどの粘膜が弱っている方

アレルギー性鼻炎などがあると、慢性的な炎症により鼻やのどの粘膜のバリア機能が弱くなります。
また、鼻詰まりにより口呼吸が増えることで、ウイルスが直接のどに到達しやすくなり、感染リスクが高まるともいわれています。

7.肺炎の既往がある方

過去に肺炎にかかったことがある方は、もともと感染症に対する抵抗力が弱まっている可能性があります。
また、肺炎により呼吸器の機能が低下していることがあり、ウイルス感染に対してより脆弱になっている場合があります。

研究で判明:複数の要因が重なるとリスクが3.6倍に!

弘前大学と京都大学、大正製薬の共同研究チームが健康診断ビッグデータを活用して分析した結果、インフルエンザにかかりやすい人の特徴として、以下の5点が明らかになりました。

血糖値が高め

肺炎の既往歴あり

多忙・睡眠不足

栄養不良

アレルギーがある

これらは前述の7つの特徴とも一致しており、科学的な裏付けがあることが分かります。

研究の結果における特に注目すべき点は、血糖値・肺炎・睡眠の3つの要因を併せ持つグループでは、インフルエンザの発症リスクが約3.6倍にも達するという点です。
複数のリスク要因を抱えている方は、より一層注意深い予防対策が必要といえるでしょう。

インフルエンザが重症化しやすい人の9つの特徴

ここまでは「インフルエンザに感染しやすい人」について解説してきましたが、ここからは「感染した場合に重症化しやすい人」について見ていきましょう。

「感染しやすさ」は主に免疫力の低下によるものですが、「重症化しやすさ」は年齢や持病などが大きく影響します。
以下のような方は重症化(合併症、入院、死亡)のリスクが高いとされており、厚生労働省でも特別な注意を呼びかけています。

1.高齢者(65歳以上)

加齢により体の免疫機能が自然に衰えるため、インフルエンザが重症化しやすくなります。
厚生労働省の報告によると、インフルエンザによる死亡者の多くを占めているのが高齢者です。
発熱などの典型的な症状が出にくい傾向にあるのも特徴で、発見が遅れるケースがあるため注意が必要とされています。

備えとしては、インフルエンザワクチン(予防接種)が有効です。
実際、高齢者施設で行ったインフルエンザワクチンの投与により82%の死亡を阻止する効果があったとの研究結果も報告されています。

2.小さなお子さん(5歳以下)

乳幼児は免疫機能が未熟なため、インフルエンザが重症化しやすく、重篤な合併症や後遺症、死亡のリスクもあります。
特に注意すべき合併症としては、「インフルエンザ脳症」があり、意識障害や異常な行動、持続性のけいれんなどが症状として挙げられます。

3.➂慢性呼吸器疾患(喘息、COPD等)

喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患がある方は、もともと呼吸器が弱いため、インフルエンザにより呼吸状態が悪化しやすい傾向にあります。
その結果、呼吸器系の重篤な合併症を起こしやすくなります。

4.慢性心疾患

心不全や虚血性心疾患などの心臓病をお持ちの方は、インフルエンザ感染により心臓への負担が増加する傾向にあります。
その結果、心機能の悪化や不整脈などの重篤な合併症を起こす可能性があります。

4.糖尿病

糖尿病の方は、インフルエンザに感染しやすく、さらに重症化もしやすいという二重のリスクがあります。
実際に感染した場合、糖尿病でない方に比べてインフルエンザ流行時の入院率や死亡率が数倍になることが報告されています。

また、インフルエンザ感染により血糖コントロールが乱れ、糖尿病性ケトアシドーシスなどの急性合併症を引き起こす危険性もあります。
日頃から血糖コントロールを良好に保つことが、感染予防・重症化予防の両面で重要です。

6.腎機能障害

透析治療を受けている方や慢性腎不全の方は、免疫機能が低下しており、感染症が重症化しやすい状態にあります。

7.免疫機能不全

自己免疫疾患の治療でステロイドを内服している方、がんの化学療法を受けている方、免疫抑制剤を使用している方などは、薬剤により免疫機能が抑制されているため、インフルエンザが重症化しやすくなります。

8.妊娠中の方

妊娠中は体調が変わりやすく、免疫機能が通常時と変化するため、インフルエンザが重症化するリスクがあります。
厚生労働省も妊婦への特別な注意を呼びかけており、妊娠中でもインフルエンザワクチンを接種することが推奨されています。

9.著しい肥満の方

BMI(体格指数)が極端に高い方は、インフルエンザが重症化しやすいことが報告されています。肥満により呼吸機能や循環機能に影響が出ることが、重症化の要因と考えられています。

インフルエンザ感染・重症化を防ぐ効果的な予防対策

インフルエンザの感染・重症化を防ぐためには、複数の予防対策を組み合わせることが重要です。
基本的な感染対策から生活習慣の改善まで、具体的な方法をご紹介します。

基本的な感染対策

インフルエンザの感染を防ぐために、以下の基本的な対策を徹底しましょう。

予防対策方法
手洗い・手指消毒せっけんと流水で20秒以上手を洗い、アルコール系の手指消毒剤を使用する
マスクの着用特に人混みや公共交通機関では適切にマスクを着用する
咳エチケット咳やくしゃみをする際は、マスクやティッシュなどで口と鼻を覆う
適度な換気室内の空気を定期的に入れ替える
適切な温湿度管理室温20度前後、湿度40-60%を保つ

インフルエンザワクチンの接種

インフルエンザワクチンは、感染を完全に防ぐことはできないものの、重症化を予防する効果は非常に高く、約80%の重症化防止効果があります。
特に重症化リスクの高い方にとっては、ワクチン接種は重要な予防手段です。

なお、ワクチンの効果は接種の2週間後から約5ヶ月間続くとされており、一般的には流行期に入る前の10~12月の接種が推奨されています。
(12月初旬以降に流行が本格化した2025年のような場合でも、その時点からワクチンを接種する意義は十分にあります)

生活習慣の改善

日常の生活習慣を見直すことで、免疫力を高め、感染症に対する抵抗力を向上させることができます。

質の良い睡眠

1日7時間以上の睡眠を確保し、規則正しい睡眠リズムを維持しましょう。
睡眠不足の場合は、15分程度の昼寝も免疫機能の回復に効果的です。

バランスの良い食事

主食・主菜・副菜を揃えた食事を心がけ、免疫機能に重要なタンパク質、ビタミン、ミネラルをしっかりと摂取しましょう。
特に5色の野菜・果物を意識して摂ることが推奨されています。

適度な運動

15~30分程度のウォーキングなど、日ごろから軽い運動を習慣にすることで、免疫機能の維持と血糖コントロールの両面で効果が期待できます。

ストレス管理

慢性的なストレスは免疫機能を低下させるため、適切な休息を取り、リラクゼーションの時間を確保することが重要です。

感染・重症化リスクに応じた予防のポイント

糖尿病の方、肺炎の経験がある方などは感染・重症化のリスクが大きいといわれていますが、このような方は基本的な対策に加えて、それぞれの状況に応じた特別な注意が必要です。

糖尿病をお持ちの方

日頃から血糖コントロールを良好に保つことが最も重要です。
食事は野菜→タンパク質→炭水化物の順に摂取し、急激な血糖上昇を防ぎましょう。

肺炎の既往がある方

深呼吸やストレッチを日常的に行い、呼吸器の機能を維持しましょう。
また、肩こりで筋肉が硬くなると呼吸が浅くなりがちなので、肩周りの筋肉をほぐすことも大切です。

アレルギー体質の方

青魚(サバ、イワシ、サンマなど)を週2~3回食べて、炎症を抑える効果があるEPAやDHAを摂取しましょう。アレルギー症状による鼻やのどの炎症を軽減することで、ウイルスの侵入を防ぐ粘膜のバリア機能を保ちやすくなります。
また、緑黄色野菜やベリー類など抗酸化力の高い食材を積極的に取り入れると免疫力の維持に役立つため、おすすめです。

その他、鼻詰まりがある場合は、温湿布や入浴で血流を促進すると症状が和らぐことがあります。

まとめ

インフルエンザにかかりやすい・重症化しやすい特徴に当てはまる方は、特に注意深い予防対策が必要です。
基本的な感染対策を徹底し、ワクチン接種を受け、生活習慣を見直すことで、感染リスクを大幅に減らすことができます。

また、次のような場合は早めに医療機関を受診してください。

38度以上の高熱が続く

呼吸困難や胸の痛みがある

意識障害や異常な行動(特に小児)

持続する嘔吐で水分が摂れない

基礎疾患があり症状が悪化している

適切な予防対策を実践し、体の異変に対しては早めに対処して、インフルエンザに負けない健康な冬を過ごしましょう!

参考資料

【厚生労働省公式情報】
厚生労働省|インフルエンザQ&A
厚生労働省|令和6年度インフルエンザQ&A
厚生労働省|インフルエンザワクチン(季節性)
厚生労働省|インフルエンザかな?症状がある方へ
【研究機関・医療機関】
健康診断ビッグデータによるインフルエンザ感染要因分析|時事メディカル|インフルエンザにかかりやすい五つの特徴
糖尿病情報センター|糖尿病のある方の新型インフルエンザ対策
秋葉原内科シンシアクリニック|糖尿病患者さんはインフルエンザにご注意を
天神橋みやたけクリニック|重症化と合併症|インフルエンザ
【睡眠・免疫関連】
大塚製薬|適切な睡眠時間と免疫
西川|インフルエンザが流行する今こそ知りたい!免疫力と睡眠の深い関係
日本経済新聞|睡眠の乱れが免疫力低下のリスクに
健栄製薬|インフルエンザが重症化しやすい人とは?