新型コロナ新変異株「セミ」が日本上陸!従来と何が違う?対策方法は?
2026年1月、東京都内で新型コロナウイルス(COVID-19)の新たな変異株「BA.3.2」、通称「セミ(蝉)」が確認されました。
実はさかのぼること2年前からその存在は海外で知られており、現在は世界33ヶ国以上に広がり、ヨーロッパの一部では一時的に週間検出率の約30%を占めるまでに増加してきた経緯があります。
パンデミックによって、再び「行動自粛」「濃厚接触」「3密」などの言葉が飛び交うコロナ禍の日々に逆戻りする可能性は、現時点では低いとされていますが……。
とはいえ、「セミ(BA.3.2)」がこれまでの変異株とは少し違う特徴を持っていることは事実です。
ここでは、そんな「新型コロナ・セミ(BA.3.2)」の特徴や、今できる備えについて、最新の情報をまとめました。
目次
日本でも確認!世界33ヶ国に広がる「新型コロナ・セミ」
「セミ(BA.3.2)」が世界で初めて検出されたのは、2024年11月のことでした。
現在に至るまでの経過を簡単にまとめると、次の通りです。
| 2024年11月22日 | 南アフリカ共和国で初めて検出される |
|---|---|
| 2025年9月頃 | 世界各地で検出が増加し始める |
| 2026年1月下旬 | 東京都で検出を確認 |
| 2026年2月11日 | CDC(アメリカ疾病予防管理センター)が世界23ヶ国での検出拡大を報告 |
| 2026年4月13日 | 世界33ヶ国以上で検出(アメリカでは33の州で検出) |
ヨーロッパでは、特にデンマーク、ドイツ、オランダを中心に検出数が増えているとされています。
この3ヶ国では、新型コロナウイルスの週間検出数のうち、実に約30%を「セミ(BA.3.2)」が占めた時期もありました。
日本でも、上記のように2026年1月に東京都で検出が確認されています。
ただし4月現在、国内の主流株は感染力が高いものの重症化しにくい「NB.1.8.1」(オミクロン株の亜系統)であり、「セミ(BA.3.2)」の検出は小規模にとどまっています。
とはいえ、油断はできません。
コロナウイルスは通常、夏と冬の年2回流行しやすい特性があるため、引き続き動向を注視する必要があります。
新型コロナ・セミの特徴とは?問題は「ワクチン効果への影響」
「セミ(BA.3.2)」が注目される最大の理由は、ウイルスの「スパイクタンパク質」と呼ばれる部位に大きな変異を持っているためです。
スパイクタンパク質は、ウイルスの表面に突き出ている突起のこと。人の細胞に入り込む際の「カギ」にたとえられることが多いパーツです。
新型コロナウイルスの場合、細胞の表面にあるACE2受容体という「カギ穴」に反応し、ぴたりと結合して細胞をこじ開け、侵入します。
CDCの報告によると、変異株である「セミ(BA.3.2)」は現在主流のJN.1系統と比較してスパイクタンパク質に70~75ヶ所の変異・欠失を持ちます。
つまり、カギの形が従来とは異なっているわけです。
このこと(カギの形が従来と異なる)は、ワクチンの効果に関わってきます。
ワクチンは、私たちの免疫システムにそれぞれのウイルスのカギの形状を覚えさせ、細胞に近寄ってきたときにブロックすることで感染を防ぐ仕組みです。
そのため、従来とはカギの形状が変わっていると、ワクチンの効果が落ちる可能性があるわけです。
実際、東京大学の佐藤佳教授は「セミ(BA.3.2)」について、「ワクチンを注射してできる抗体が効きづらい可能性が高い」と指摘しています。
つまり、一度コロナにかかって治った人も、ワクチンを接種した人も、これまでより感染しやすくなっている可能性があるのです。
ただし、WHO(世界保健機関)は「2025~2026年シーズンのワクチン(JN.1系統を対象とした設計)は『セミ(BA.3.2)』の重症化予防に一定の効果がある」という見解を持っているようです。
また、いったん「セミ(BA.3.2)」に感染したとしても、既存の抗ウイルス薬が有効とされています。
なぜ「セミ」と呼ばれる?
ところで、そもそも「BA.3.2」に付けられたニックネームの「セミ」とは、真夏にミンミン鳴くセミ(蝉)のことですが、これは「BA.3.2」が数年間目立たない状態だったものの、突如として現れたことに由来しています。
2021年末、新型コロナウイルスのオミクロン株が出現した際、「BA.1」「BA.2」「BA.3」という3つのグループが現れ、特に「BA.1」「BA.2」が大流行を引き起こしました。
しかし、「BA.3」は特に流行することもなく姿を消しました……。
ところが、約3年が経過した2024年、「BA.3」の子孫である「BA.3.2」が突如として出現。世界33ヶ国で検出されるまでになったのです。
まるで生まれてからの長い年月を土の中で過ごした後、地上に現れて鳴きはじめるセミのように。
というわけで、「セミ」というニックネームが付けられることになったのです。
新型コロナ・セミの重症化リスクは?専門家「今すぐ慌てる必要なし」
さて、すでに紹介したように「セミ(BA.3.2)」は従来のワクチンの効力が下がる可能性があり、実際のところ検出数が世界的に増えつつあります。
とはいえ、重症化リスクについては、専門家は今のところ落ち着いた見方をしています。
マウントサイナイ医科大学のアドルフ・ガルシア=サストレ博士は、「BA.3.2が重症化や入院を増やしているという証拠はない。これまでの変異株より問題のある株というわけではない」と述べています。
また、ジョンズ・ホプキンズ大学のペコスズ博士も「紙の上では怖く見えるが、ほとんどの地域で影響はまだ大きくない」としています。
なお、「セミ(BA.3.2)」の症状はこれまでと特に変わりません。
咳、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛、喉の痛みなど……。
インフルエンザと区別しにくいという点も変わらないため、気になる症状があれば検査で確認することが大切です。
ただし、糖尿病や高血圧などの基礎疾患を持つ方や高齢の方は、これまで同様にリスクが高いため注意が必要です。
今、新型コロナ・セミに対してできることは?基本の対策が大事!
特別なことをする必要はありません。
あのコロナ禍で身につけた基本的な感染対策を、もう一度しっかり意識することが最善の備えです。
| 対策 | ポイント |
|---|---|
| ワクチンの確認 | 接種から時間が経っている方・高リスクの方は医師に相談を! 重症化予防効果は残っている(WHO見解) |
| 症状が出たら検査 | インフルエンザと見分けがつかないため検査で確認 既存の抗原検査キットで検出できる |
| 混雑した空間ではマスク | 日常的にできる有効な予防手段 |
| うがい・手洗い | 同上 |
| 体調が悪ければ外出しない | 発症前後は感染力が高い (発症後5日間は特に注意) |
まとめ
新型コロナウイルスの新たな変異株「セミ(BA.3.2)」は、従来の免疫が効きにくい可能性があるという点で、これまでの変異株とは異なる特徴があります。
ただし、現時点では重症化リスクが高まっているという証拠はなく、2019~2021年あたりのコロナ禍のような大規模な行動制限が必要になることはないと考えられます。
とはいえ、油断は禁物。
CDCやWHOによる継続的な監視・注視は続いており、状況は随時更新されます。
急に慌てたり、必要以上に不安になったりする必要はありませんが、基本的な感染対策を続けながら、続報を確認していきましょう!
参考文献:
新型コロナ「セミ」型に流行の兆し 3回目の大変異、日本で感染確認
Early Detection and Surveillance of the SARS-CoV-2 Variant BA.3.2 — Worldwide, November 2024–February 2026
新たな変異株が流行の兆し!? 蝉とバギーとBA.3.2(後編)【「新型コロナウイルス学者」の平凡な日常】
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